「何となく」で答えを選ぶ不毛

 文法問題の解説をする際に、生徒さんにその答えを選んだ理由をきくと、「別に」とか「何となく」とか、謎の発言が飛び出すことがよくあります。超能力者なのか?!と突っ込みたくなります。しかも、よくよく確かめてみると、その問題を解くために必要な語句や文法の知識を持っている場合が多いのです。なぜそれを使って考えないのか。知識は使ってこそ、頭も使ってこそです。

 なぜ「何となく」などという不可思議な答えをする人が多いのか考えてみると、いわゆる四択問題に慣れすぎていることが一因かもしれないと思い当たります。本来はなぜ4つのうちでそのひとつなのか、学習した内容を当てはめて決めるのです。それができれば次は並べ替えへ、部分英訳へ、さらには英作文へというように、徐々に難しいものができるようになります。英語の勉強なのですから、英文が作れるところまで行くことが当然かつ絶対の目標です。

 しかし、四択だけやっていると、とりあえず一つ選ぶだけならテキトーにできてしまいます。ちょっと見て、ろくに意味も考えずに、「わからない。何か自分の知らないことがあるのだろう。知らないんだからしょうがない。何となくコレ」とクジでも引くように選ぶ。もちろんこれは、全く、これっぽっちも、頭も知識も使っていないので、そもそも勉強ではありません。やった気になるだけ有害です。本当に、こんなやり方で時間を浪費するくらいなら、寝ていた方がマシです。

 ああでもない、こうでもない、と一生懸命考えて、ようやく「あの知識をここでこう使うのか!」と思い至り、目の前の文と得た知識がつながる(つなげる)こと、そしてそれが段々と高確率で確信を持ってできるようになり、さらには自由に使いこなせるようになる(する)ことを「勉強」というのです。みなさん、「勉強」してください。