音読で自分にも講師にも理解度がわかる

「わからないこと」が自分にハッキリわかる

 英語の音読の効用の一つに黙読よりもゴマカシが効かないということがあります。ある単語が出てきた時に、「意味はわかるんだけど、発音はどうだったっけ?」と思うことがありませんか? 音読の場合、そこで止まるか曖昧な発音でゴマカすかなので、「自分はこの単語の発音がわからない」とハッキリ自覚され、調べたり聞いたりして覚え直すきっかけになります。文章レベルでも、「途中から何が何だかわからなくなった」という部分が自分にわかりますから、その部分だけ重点的に勉強すればよいことになり、必要な力を必要な場所に注ぐことができるのです。

「勘違いしていること」が講師にハッキリわかる

 音読をしても、完全に思い違いをしている部分は自分では直せません。私もかなり基本的な単語でもアクセントの位置をずっと間違えて覚えていたものがあります。授業で生徒さんに音読してもらう場合の最も大きなメリットは単語の発音ミスから文構造の取り違えに至るまで、瞬時にわかることです。長い文のどこに切れ目を入れたかで、文構造の取り違えやその原因がわかります。単語の発音ミスも、何度も直すとその日のうちに正しく身に付きます。例えば "increase" という単語の終わりを「ズ(z)」と濁る音にしている人が多いのですが、一つの長文の中に4回も5回も出てくることもある頻出単語で、その都度直します。集団授業ではとてもできませんが、一対一の個人指導なら当たり前の光景です。そして授業後も復習として正しいものを音読してもらいます。何度も読むだけで英語力が確実につくのですから、とてもラクな方法だと思います。