発音を間違えて覚えてしまうと……

 以前、"hundred" を「ハングレット」と二カ所も間違って覚えてしまい、それこそ100回くらい発音を直してもとうとう直らなかった人の話を書きましたが、先日も授業中に何の単語だかわからない不思議な音を耳にしました。今度の生徒さんは「他の」の "other" を「オザー」と完全に間違って記憶していました。

 よく勉強している生徒さんで、英語の全般的な発音はきれいなのです。"Other" は「アザー」(発音記号が入力できないのでカタカナでご勘弁を)だよと教えた時の驚きように、こちらもびっくりするやらおかしいやらで、一緒に笑ってしまいました。

 その授業中に直してしまおうと、不意打ちで10回以上、"other" の出てくる同じ文を言ってもらったのですが、直したそばからすぐに「オザー」に戻ってしまいます。😅

 次の授業の時も同じ例文を言ってもらうと、今度は「何を聞かれているかわかっている!」というドヤ顔で、はっきりと、「オザー!」🤣 もちろんその時も複数回の不意打ちをすると、終盤でようやくちらほらと「アザー」が出てきました。

 さらに次の授業の時、三たび同じ例文のチェックをすると、またしても「オザー」に逆戻り……。

 一度間違えてインプットしてしまうと修正するのがいかに大変なのかがわかります。目で見ただけできっとこうだろうと思い込んで勉強してしまうと、ミスに気づく(人に気づいてもらう)きっかけもなく、思い込みは強固に、修正は困難に、なる一方です。

「発音なんて勘違いしていても、答えが合ってるんだからいいじゃないか」という人もいるかもしれませんが、リスニングで聞き取れなかったり、将来英語で話していて相手に通じなかったりと、何一ついいことはありません。そもそも、せっかく時間と労力をかけて勉強するのに、間違えたものをわざわざ覚えるのは馬鹿馬鹿しいですね。

 続きはまた明日。