高3生が感じていた幻の進路プレッシャー

 私自身にも覚えがありますが、学校や大学選び、学部選びについて、親をはじめとする家族の期待を、たとえ親が口にしなくても子供は感じ取ります。期待の強さや、口や態度にどれだけ出すかは様々ですが、子供の側の感じ取る敏感さや、受け止めたりはね返したりする強さもまた人によって大きく異なります。

 ある高3の生徒さんは、私の目にはほとんどなかったように見える期待を感じて悩んでしまっていました。大変なスポーツ一家で、ご両親は体育教師と社会人スポーツチームの元選手、ごきょうだいは大学の体育系学部に進んで体育会でも大活躍、ご本人も中学高校で運動部のキャプテンでした。

 大学附属の高校なのでそのまま系列の大学に上がれます。そろそろ高校に進路希望を出さなければいけないというので「何学部にするの?」と訊くと、冴えないお顔。😞 話してくれたところによると、「自分はこのままエスカレーターで進学してスポーツはサークルで楽しめれば十分なんだけど、家族みんなが体育系の大学なので、自分も受験してそっちに行かなきゃいけないのかも」と感じて言い出しにくいとのこと。私はごきょうだいも教えて親御さんとの付き合いも長かったのですが、体育系に進むことを期待しておられると感じたことはありませんでした。不思議に思ってさらに聞いてみると、どうやらお正月に田舎に帰ったとき、「みんな体育系だから〇〇もそうなんでしょ?」というような親戚同士の会話があったようなのです。

 子供は自分に期待される事柄を繊細に感じ取ります。この生徒さんのようにちょっとしたことや家族の状況からプレッシャーを感じてしまうということもよくあります。実際には親御さんは「この子の好きなように。スポーツもいいけれど怪我もこわいし。受験勉強も向いていないような気がするし……」というお考えで、ご本人希望の学部へエスカレーターで進学し、全員大喜びという結末になりました。

 しかし親御さんが医者となると、状況はかなり変わってきます。それについてはまた明日。