反面教師にしてほしい、消えていった医学部受験生たち④

いつまでも決断しない

 ある生徒さんは、高2の時に集団塾と個別指導の両方に通っていましたが、集団塾の授業はあまり身につかないということで高3から個別指導のみにするか、そのまま両方に通うか迷っていました。冬にアドヴァイスをし、2月か遅くとも3月には決めて本格スタートを切ろうねと伝えました。しかし4月になっても決めず、「とりあえず一ヶ月間は両方通ってみてから決めます」とのこと。新しい塾ではなく今までも通っていた塾なのにです。

 結局5月には集団塾に通わなくなり、こちらも遅れを取り戻そうと学習計画を練り直し、「学校のテストは赤点を取らない程度で乗り切って、定期テスト中もできるだけペースを崩さずにいこう」と伝えたところ、
「でも、できれば指定校推薦を取りたいんで……。」
 初耳でした。しかも学校の成績は良くないのです。推薦スコアをクリアしていても校内争いで敗れる可能性が非常に高い。そもそも指定校推薦を目指す人は、高1の4月からそのつもりで、音楽や体育まで含めてしっかり学校のテスト対策をするものです。

 さて秋になり、やはり指定校推薦は取れず、ようやく狙いを定めて勉強に本腰を入れるかと思いきや、
「国立も諦めてないんで、センター試験を受けるか迷ってるんですけど……」とおっしゃる。しかも国語と社会は大の苦手とのこと。

 結局、センター試験は受けず、私大医学部のみの受験をしましたが、準備は遅れに遅れ、試験後は連絡が来なくなりました。