ネット情報は玉石混交。塾も……。①
先日、IELTSの受験準備をしている生徒さんから解答でわからないところがあるというご相談を受けました。ネット上で入手したReadingの問題で、長文のsummary(要約、サマリー)の穴埋めをするものでした。どれどれ……とsummaryを読んでみると、なんだかよくわからない。もう一度読み返してみると、いよいよおかしい。動詞に対して主語がなかったり、誤植ではないかと思われる余計なハイフンがあったりで、文がまともに成立していないのです。
IELTSは実際の過去問は非公開ということですので、練習問題なのかもしれませんが、調べてみると複数の塾のサイトで同じ長文とサマリーが紹介されています。そこで、生徒さんが引用したサイトのサマリーと他の幾つかとを比べてみると、まあ、抜けはあるわ、順番は狂っているわ、穴の位置は違うわで、一言で言えば「滅茶苦茶」でした。他のサイトでも、そこまでではなくともおかしな抜けや付け足しがありました。
生徒さんが見つけたサイトはIELTSやTOEFLなどの受験、留学や海外大学進学をサポートする塾で、ネイティヴの講師もおり、それはそれは高いレッスン料を取るようなのです。どういう経緯で滅茶苦茶になった問題が掲載されているのかはわかりませんし、ひょっとしたら授業や講師のレベルは高いのかもしれませんが、なんだか危ないなぁと思ってしまいました。海外大進学が注目を集める中でこういう塾もたくさん生まれてくるのでしょうが、入塾前に、掲載された英文を読んで、解いて、「問題の英文が間違っている」と気付けることはまずないだろうからです。