シャドーイングとリスニング

 昨日は、シャドーイングによってリスニング力が鍛えられるようだと書きました。これについてもう少し補足したいと思います。リスニングならリスニング練習をすればいいと思って、普通にただ一生懸命に英語に耳を傾けて、「うん、ほぼわかった!」と自信満々で同じものをシャドーイングしてみると、細かいところで突っかかって実はそこが聞き取れていないことがわかるというのがよくあります。"has" か "had" かとか、前置詞と冠詞がくっついているような部分です。文全体の内容理解にはそんな細かいことまで完璧に聞き取れなくても問題がないので、普通のリスニングでは「聞き取れた感」が強くなります。ところがシャドーイングで瞬時に発音をするとなると、「hasとhad」 や「at a〜とat the〜」では口の中の動かし方が違うので、「ん?どっち? わかんない」と「聞き取れなかった感」が強くなります。

 また、内容が難しかったり長かったりすると、単語は追えても、全体の流れや内容を見失いがちになることもあります。普通のリスニングが全体を見渡して、わかる部分をつなげながら理解するイメージ、シャドーイングは細かく単語やフレーズを追いかけていくイメージです。絵を遠くから眺めるか、近寄って微妙な色合いの変化や筆致を観察するかの違いに似ていると思います。